ジョン・ソンメズ『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』を読んだ
書名の通りソフトウェア開発者向けに書かれた本として、エンジニア界隈では人気のタイトルのようである。エンジニアが良い人生を送るためのキャリアに関するノウハウ、自分の売り込み方、学び方、生産性向上の方法、お金との付き合い方、体を鍛えるなど、本書が扱う話題は多岐にわたる。
実際、本書を手に取るかどうか少し迷った。なぜならば、自分がウェブサービス開発に関わる立場ではあるものの、エンジニアではないからだ。しかし、書評や感想ブログにいくつか目を通してみると、そうではない人にもヒントになる部分が多いとのことなので試しに読んでみることにした。
結果的に、様々な学びを得たので、とくに気に入った部分をいくつか取り上げたい。
マーケティングは才能を数倍にする
自分自身のマーケティングについて述べられた『第2部 自分を売り込め! 』がまず面白かった。昨今よく言われるブログを書こうとかプレゼンしようとか、そういう類のTIPSが述べられる。個別の手法の話は置いておくとしても、なんとなく嫌悪しがちな自分のマーケティングに対する示唆が得られた。
- マーケティングがなぜ大切なのか
- 有名なロックバンドとカバーバンド
- 才能は変わらずとも前者はマーケティングをうまくやっている
- 自分のマーケティングは個人ブランドからはじまる
- ブランドを構成するもの: メッセージ、ビジュアル、一貫性、反復的な接触
- メッセージを送り出すための媒体:ブログ
- 着実姓が成功の鍵
- 他人のために価値を生み出せ!
- 他の人の役に立たなければ無視されてしまう
- バカにされるのを恐れるな
- 「やっちまった」としても問題ない
生産性を高めよう
そして『第4部 生産性を高めよう』を読むと、生産性はまだまだ高められるように思われてくる。なんとなく効率的に仕事を行えているように思っていても、実はそうでもないのかもしれない。ここで述べられるテクニックには当たり前のことも多いが、たしかにそういうのもあったよなと、再確認させてくれるという点が良かった。
- 全ては集中から始まる
- 集中はスピードの維持に役立つ
- 集中を維持できる小さなタスクの実行計画をつくる
- 四半期/月次/週次/日次
- ポモドーロテクニック/クォータシステム
- 燃え尽き症候群は壁にぶつかってるだけ
- 壁の向こう側
- 簡単になる、モチベーションが蘇る、結果が出る
- 持続がカギ
- 壁の向こう側
- 自分と夢の間に立ちはだかるルーチン
- 長期に渡って小さな積み重ねを続けること
- ブレイクダウンで先延ばしを克服する
- 大きなタスクを小さなタスクに分解してこなす
- どんなことでも、しないよりしたほうがまし
- 間違うことのコストが小さいのなら、いつも何もしないより何かをすることを選ぶべき
デザイナーが読んでも面白い
コードの話はないし、ものをつくる職業としての共通点も多く、仕事に活かせそうなアイデアが多くある。自分の立場に置き換えて解釈する必要はあるが、どういうキャリアをイメージして、どういうふうに行動をしていくのか、将来のプランニングに活かせそうだ。
全71の章が7つの部に整理されており、ひとつひとつのトピックは小さいので、つまみ読みしていくのも悪くない。